エピソード2『間柴君の愉快な日常』
- 淑子
- 「えーと、それでは今日の部会はここまでです。皆さん、
ちゃんと原稿をあげてくださいね」
- 一同
- 「はーい」
- 和美
- 「あっ、間柴先輩。今日は、前の約束どおり晩ごはんごち
そうしてくださいね」
- 間柴
- 「ほよ? そうだったっけ?」
- 和美
- 「ひっどーい、忘れたんですか? あんなに約束してたの
に……」
- 間柴
- 「ごめん、ごめん、そうだね、行こうか」
- 和美
- 「うん」
フランス料理店「ポール・ボキューズ」にて
- 和美
- 「あのー、いつもこういう所でご飯食べてるんですか?」
- 間柴
- 「うん? あーぁ、そうだね、でも君は特別だから」
- 和美
- 「えー、そうなんですか、本当だったらうれしいのに……」
- 間柴
- 「僕は嘘は嫌いだよ、今までも、嘘と餅はついたことがな
いから」
- 和美
- 「ははぁ(笑) またそんなこと言って」
- 間柴
- 「(にっこり) ギャルソン! ワインをください。そうだ
な、85年物のクリュートン産の赤を」
- 男
- 「かしこまりました」
- 和美
- 「あー、おいしかった。ありがとうございました。あの……」
- 間柴
- 「なに? どうしたの?」
- 和美
- 「今、両親が旅行に行ってて、私一人なんです。それで、
寂しくて……」
- 間柴
- 「あぁ、そうなんだ。やっぱり寂しいよね。僕は一人暮ら
しが長いからそんなにも感じないけど。そうだ、確か家にハーゲン・ダッツのアイスクリームがあったはずだ。一緒に食べようか?」
- 和美
- 「えっ、いいんですか? はい(にっこり)」
間柴君の自宅にて
- 和美
- 「わぁ、広いんですね。(きょろ、きょろ) それにきれい
にしてますね」
- 間柴
- 「えっ、あーぁ、わりときれいずきなんだ」
数分後
- 和美
- 「あーぁ、おなかいっぱい食べたら、眠くなってきたっ
ちゃ」
- 間柴
- 「(なんか予想どうりすぎて面白味がないなぁ) そう、
じゃあ少し眠ろうか?」
- 和美
- 「うん」
翌朝
- 和美
- 「先輩、起きてください! 学校遅れますよ!」
- 間柴
- 「うーん、僕はいいよ、昼から行く」
- 和美
- 「えー、それじゃ私もそうしようかなぁ」
- 間柴
- 「君はいいよ、先にいきなっ」
- 和美
- 「えー、じゃそうしますけど……。また誘ってくださいね」
- 間柴
- 「うーん……」
昼前
- 間柴
- 「もしもし、間柴ですけど」
- 静香
- 「あっ、いた! あなた昨日の約束どうしたの? 2時間
もまたせて来ないし、携帯もかからないし……」
- 間柴
- 「あぁ、ごめんごめん、昨日は3年前に死んだおじいちゃ
んの7回忌だったんだ」
- 静香
- 「あなた、そんなこと言って、他の女と一緒だったんじゃ
ないでしょうね?」
- 間柴
- 「そんなぁ、僕には君しか見えてないよ。今日、会社何時
に終わる? 昨日の埋め合わせするよ」
こうして間柴君の日常は繰り返される。
連絡先
ディレクトリルートに戻る
語り部総本部